『アンハッピーバースデイ』リファイン過程その2

 中の人の多忙により非常にずれ込んで申し訳ありませんでしたが、無事シナリオのリファインも完了したことで、この記事をようやく執筆する運びとなりました。その1で定めたシナリオリファインの方向性を踏まえた結果最終的にどのようなものになったのか、それらはどうした意図のもと行われたのかを書いていこうと思います。
 なお、来週は『アンハッピーバースデイ』を回すうえでのコツないし意識した方がいいことあたりを、キーパリングサポートの形で書こうかと思います。また、毎度来週の予定は最後に書いていましたが、今度からシナリオなどのネタバレを含む記事の場合はここに書くことにします(下の方見れない人も居るので)。
 では、そろそろ本編の方に入っていきましょう。




以下ネタバレを含む感想です。ここからはシナリオを既に読んでいるか、プレイ済みということを前提に記事を書いていきます。
未プレイの方はネタバレに注意してください。



〇NPC紹介を性格・シナリオ設定に分けて記述
 RP上必要な情報として、特に麻希は記憶を取り戻していく過程で彼女の性格が変化する場面をわかりやすくすることを意識して長めに書きました。


〇シナリオ全体の流れを挿入
 作成者の私はともかく、このシナリオを回そうという方にとっては変則的でわかりにくいシナリオになっていると思うので、KPが混乱することのないようシナリオを全4パートに大まかに分け、それぞれの簡単な流れを書きました。


〇ハンドアウトのリファインに関して
 個人的に推奨技能の記述はPCを縛るようであまり好きではないんですが、特に〈心理学〉、〈精神分析〉が欠けているとこのシナリオの面白さがかなり減じられてしまうだろうとの判断から、推奨技能、準推奨技能を追加しました。
 また、警官PCが活躍しすぎて探偵と知り合いPCとのバランスが悪いという問題は、警察署での情報入手に制限を加え、現場の調査や独自調査を通じて情報を得るように促しました。また、探偵PCと警察官PCの差別化がこのシナリオでは困難と判断したため、探偵PCに準警察的な権限を与え、自由探索の序盤に警察官PCが資料を集めつつ探偵が主導して町内の探索を行うという形でそれぞれに活躍の場を設けました(中盤以降は探索者たちが固まって探索を行うことを前提としています)。なお、麻希の友人枠PCに関しては後述します。


〇肝付汚太郎のセリフについて
 シナリオの序盤も序盤で以前のセリフを喋らせるのはミスリード兼お遊びとしてやや悪質かなと思い、デフォルトのセリフのミスリード色を薄めました。


〇インターバルについて
 当初ここでの探索は想定していませんでしたが、テストプレイ時に探索の提案を受け、時間が限られている関係上ある程度の事前探索を認めても良いだろうということで、その旨を記述しました。


〇麻希の記憶復活イベントに関して
 自由探索パート全体の探索と推理を通じて段階的に麻希から情報を出しつつ、最終局面では性格を変化させることで、新たな謎を探索者たちに与えることを狙っています。ここでいったん立ち止まって相談タイムに入り、〈心理学〉も〈精神分析〉も効かなくなり、性格も変わってしまった麻希をどう考えるかや、麻希とヨグ=ソトースの娘が“一卵性”双生児であることなどの事実をどう考えるかなどを話し合ってくれるかなと期待しています(個人的にこういうシナリオ内の相談タイムがセッションをしていて一番好きなパートです)。


〇ヨグ=ソトースの娘が目覚めた原因について
 当初は特に理由なく目覚めたヨグ=ソトースの娘ですが、今回のリファインで千草の墓参りをきっかけとして目覚めたことにしました(千草・麻希・麻衣(ヨグ=ソトースの娘)の関係回りはそれなりに計算して作ってはいます、一応)。


〇ニアミスの描写変更
 最終段階まで麻希の記憶が戻っていることを前提とした描写ですが、麻希に反撃の呪文を使わせることで単に悪態をついて襲撃に失敗する以上の意味合いを持たせています(持たせているだけですが)。


〇夢日記の追加に関して
 麻希自身の異常性を示すアイテムであり、クトゥルフ神話と密接にかかわっていることを示すものでもあり、あるいはミスリードにもなりうるものです。特に意味はありませんが、シナリオ全体を通じてヒントや伏線になりうるアイテムになります。


〇ヨグ=ソトースの娘との戦闘関連
 〈被害をそらす〉がわかりにくい問題に関しては、複数回最終決戦前に物理攻撃を行う機会を設けることとしてその際の描写を詳細にし、特殊性を浮き彫りにすること。加えて最終決戦時にはMP管理を毎ラウンド行い、その際にMPが不自然に減っていることを明示化することで対処しました。また、化学攻撃が有効であることをシナリオ中の探索から見つけることが出来れば、それを用いてヨグ=ソトースの娘を攻撃することが出来、それによるHP減少でも倒すことが出来るように調整を行いました。また、いまいち格好の良くなかった呪文の名前をヘラクレイトスの言葉から《万物流転》という風に名付けました。


〇ヨグ=ソトースの娘の脅威としての存在感が薄いことに関して
 当初ニアミスのイベントを通常イベントにしようと構想していたのですが、いくら二回目以降が半分になるからと行って3d10級を3回も確定でぶつけるのは厳しいだろうと思います。そこで、殺人事件の被害者に関する麻希のコメントを一週間以内にあった人物とすることで選択的に先回りがしやすくなるという手法でイベントの遭遇率を高めるにとどめました。


〇対抗策である呪文の入手に関して
 当初突然対抗策が得られるような形であったものを、探索者達との関わり合いから麻希の記憶を段階的に取り戻させていくということにより、探索者(特に知り合いのPC)の活躍の場を設けつつ、自分の力で入手したという実感を与えるよう工夫しました。


〇ヨグ=ソトースの介入に関して
 単にイベントだけ起こして後から解説してもピンとこなさそううだったので、ヨグ=ソトースの娘のセリフを入れて味を出しました。しかしながら、つくづく「彼女」を哀れなキャラクターにしてしまったと思いますね。

 リファインによる変更点を列挙していくと以上のような形になります。これらはテストプレイの経験とテストプレイに参加したPLとの相談の内容がだいぶ反映されているので、テストプレイと第三者の視点からの批評というものがいかに重要かわかりますね。今後はシナリオが完成した段階でリファイン後のシナリオのクオリティに仕上げられるといいんですが……。ちなみに今週か来週末にまたこのシナリオを別の場所で回す予定なのですが、流石にこれ以上大幅な変更は加えないと思います……多分。
 さて、今週末の記事ですが、『アンハッピーバースデイ』の簡単なキーパリングサポート記事を書こうかと思います。多分その2に続くほど色々書くことはないと思いますが、今週末またお会いしましょう。

 近場の図書館にあったので軽く読んできたんですが、『図解』シリーズのやつの上位互換って感じでした。そのうち『ガスライト』と併せてレビューを書くかと思います。

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