シナリオフック『犬鳴村怪異譚(仮)』公開記事その3

さて、今週も先週に引き続きシナリオフック『犬鳴村怪異譚(仮)』の続きを書いていきます。今週では第一部の構想を全て書ききり、その後第二部の構想を書いて終わりとなります。第二部・第三部に関しては「シナリオ概要」といった感じで私の構想をつらつらと書いていくつもりですので、第一部の時よりはるかに内容が薄い(というか一般的なシナリオフックに近い)ものとなっていますので、ご了承ください。では、そろそろ本編のほうに入っていきます。


6.第二次トンネル捜索~エンディングへ
 一時退却から情報収集を行う流れにはなるかと思いますが、中にまだ人が居ることを伝えればそう悠長に長々と情報収集をしている余裕はないとわかるでしょう。飲まず食わずでも数日は生きていられるから……とのんびりしている様なら、外傷を追っている可能性などを医者や村人の口を通じて伝えてもいいかもしれません。
 情報収集の結果からトンネルに向かう際は、到着時の時刻に気を付けてください。夜間にガストと戦うことは、最も有効な手段である日光による攻撃が使えなくなることを意味しています。また、霧がでているかもしれない夜間に山中を歩くのは危険でしょう。ただし、日中にトンネルへと向かったとしても、ガストは日光を避けて洞窟の奥のほうにいます。鏡などを利用して日光によるダメージ(ないしスタン)を狙うのであれば、探索者の中の誰かが洞窟の中に入ってガストの注意を引き、日光の照射が可能な範囲にまでガストを誘導する必要があるでしょう。

ガスト登場時の描写例は以下
洞窟の暗闇の中、一対の黄色い目が光るのをあなたたちは見る。それは自分たちの存在を察知したように、咳のような鳴き声を発しながら飛び跳ねて近づいてきた。体長は3mほどで、あの狂人の日記で「ガスト」とされた絵に似ていることがわかる。それはどこか人間に似ているが、尖った耳と鋭い牙を備え、鼻も額もない……見るもの全てにおぞましさと嫌悪感を湧き上がらせる、醜悪な異形の怪物であった。【0/1d8のSANチェック】(村の絵日記を見た際にSANチェックを挟み、その分をここで慣れとして軽減するというのも手の一つ)

ガストの習性
・太陽光線の入ってきたことのないドリームランドの地下や洞窟の中に住んでいるため、太陽光線が苦手
・共食いをする
・クン=ヤンの洞窟の人間に飼いならされていた可能性あり(運が良ければ懐くかもしれませんね)

ガストのデータ作成例
(1)ガストを4体作り、その中で平均ステータスが一番高いものを選ぶ
(2)ステごとに3~4回ほどロールし、その中で一番高い数値のみを選ぶ

ガストとの戦闘に関して、アイデアをいくつか
・ガストは太陽光線に弱いと言うが、もしかしたら強い光にも弱いかもしれない(カメラのフラッシュなど、懐中電灯を向ける場合であればDEX*3ロール、成功したら安全に入り口付近まで誘導できる…など)
・ガストは共食いの結果一体だけ残っているため、もしかしたら耐久力が削れているかもしれない
・あわや全滅と言うほどに出目が荒ぶった場合は、ショゴスを連れた深きものがガストを倒してくれるかもしれない
・3mくらいの巨人ではあるが、一応人型なので、噛みつきはともかくキックくらいは体術技能の半分くらいの数値で受け流せるかもしれない
・トンネル内の外壁はもろく、強い衝撃があれば落盤してしまうかもしれない(爆薬を使ってはトンネルが崩壊してしまうため、トンネル内にいる依頼者の娘を救出するためにはガストとの戦闘前に助け出す必要があるかも)
・一応神話生物のため、日光によるスタンハメはできないかもしれない(例えば日光照射の効果が1d3ダメージ+1ラウンドスタンだった場合、ただ日光を浴びせ続けるだけのシュールな場面になってしまうため、スタンの効果は慣れたということで重複しなくていいかと)

〇対ガスト戦術案
 クトゥルフの戦闘は何だかんだと賛否のわかれるところですが、ガストとの戦闘はまともに武道キックとかかますようなものを想定してはおりません。
案1『オペレーション・エクスプロージョン』
(1)まずガストを入り口まで誘き出します
(2)日光を照射して1d3ダメージ&1ラウンドほどスタンさせます
(3)スタン中で目が目が状態になっているガストの足元に爆薬を設置します
(4)爆破。HPがミリ残った場合は探索者たちに死ぬ気で倒してもらいましょう(装甲3点ですが全員でかかれば何とかなるでしょう)

案2『オペレーション・ケーブイン』
(1)まずガストを入り口まで誘き出します
(2)日光を照射してスタンさせます
(3)何らかの手段でガスト頭上のトンネルの外壁を崩壊させます
(4)ガレキの下敷きになったガストは死にます(ガレキによるダメージが入り、ガレキから抜け出すのに1ラウンド消費するため多分死ぬでしょう)

案3『オペレーション・エルダーサイン』
(1)まずガストを入り口まで誘き出します
(2)日光を照射してスタンさせます
(3)ガストの後ろの方(トンネルの奥側)の地面にエルダーサインを書き、2POWを込めます
(4)ガストはトンネルの奥へ戻れず、かといって出てくることもできず、探索者の日光照射ハメ技を喰らい続けるか、それに耐えかねてトンネルの外へと出て死んでしまうでしょう

案4『オペレーション・パウダー』
(1)《スレイマンの塵》が入った瓶を狂人(魔術師)ないし村の深きものから探索者たちに渡します
(2)振りかけます
(3)死にます

案5『オペレーション・カミカゼ』
(1)探索者の〈キック〉、〈マーシャルアーツ〉技能を99にし、ダメージボーナスを1d6にします
(2)全員でガストに襲い掛かります
(3)運が良ければ無傷で倒せます

最後のはともかく、探索者に与えるガストの倒し方とそれを用いた戦術の案としてはこんな感じでしょうか。一応倒し方によって分岐なんかも考えていて、
エルダーサインをトンネルに描いてから帰る>トンネルを崩落させてから帰る>トンネルをそのままにして帰る
の順に第三部の状況が好転する……といった感じのギミックを考えていました。
エルダーサインをトンネルに描いて村に帰った場合、探索者たちは行きと同様村人たちの歓迎を受け、深きもの共からは殺気を押しとどめた冷たい態度を取られることになります。深きものがトンネルを通れないのはもちろん、犬鳴ダムのほうから深きものが連れてきたショゴスが暴れ出して深きもの側にダメージを与えたのです。最終的に犬鳴ダムの底にあるマジックアイテムなどを駆使してエルダーサインを突破し、深きもの共のリーダーたちは新犬鳴村の方へとたどり着くことになるでしょうが、旧犬鳴村の方でも村人の反乱により多大なダメージを受けており(なんとか鎮圧)、犬鳴村の侵略は今後10年ほど停滞することになります。
トンネルを崩落させて帰った場合、ショゴスを用いたがれきの撤去で多少時間がかかるものの、諸悪の根源が居なくなったということで一応深きものからも感謝の言葉をもらえることでしょう。村人たちはささやかな歓送会を開き、翌日の朝一のバスで村を発つことになるでしょう。
トンネルを崩落させずガストを倒した場合、そのまま先に進めばショゴスを連れた深きもの二体と遭遇することになります。探索者たちが逃げ帰った後、トンネルの向こうからやって来た深きものも交えて探索者たちに多大な感謝を捧げます。中には抱擁を求めてくる個体もいるかもしれません。間近で嗅ぐ深きものの体臭は、魚の腐ったような非常に不快なものです。大して村人たちは、最初とは打って変わって探索者たちに冷たい態度を取るようになります。フードをかぶった深きものも交えて村総出で探索者たちの歓送会を催しますが、そこで提供される料理は先日食べた物とは似ても付かないほどひどい味です(深きもの達は気にせず食べていますが)。

※犬鳴ダムの様子を見るハンドアウトの探索者がおり、トンネルを崩壊させてしまって探索者が行けなくなってしまった場合は、ガストが死んでさえいれば事情を深きものに話すことで代わりにやって来てくれるでしょう。

7.エンディング
 人間の知るべきではない世界の一端を垣間見た探索者たちは、自分たちの行いが引き起こした影響を全ては知らぬまま、様々な思いを胸にバスに乗り込もうとすることでしょう。そんな中、村の中で定住した旅行者だと名乗っていた男性が別れ際に突然、自分の娘を養子にしてやってくれと現れます。門番の深きものは「それは村の掟に反する」と言って制しますし、娘も父親から離れようとしませんが、父親は鬼気迫る表情でバスに乗ろうとする探索者たちに詰め寄ります。二日三日あったばかりの他人のそんなお願いを受け入れようとする探索者はいないとは思いますが、もし連れて行こうとするなら娘のSTR6との対抗ロールで父親から引き剥がすことを試みなければなりません。
 娘をここに残そうと残すまいと、彼女の父親はこの後深きもの共によって殺されることになります。探索者たちが娘を村に残していれば、彼女は母親と同じように出産適齢期になれば村の囲いの奥に入ることになりますが、数十年後新たに探索者が訪れるまでの間、彼女にはある変化が訪れることになります。父親を失った悲しみと自身に降りかかる災厄への嘆きに狂人を装う魔術師がつけ込み、かつて旧犬鳴村を支配していた彼とその一族の悲願である「いぶ様」召喚のための道具として洗脳したのです。彼女は混血種を一人生んだ後、自らの腹にナイフを突き立てて出産機能を自ら失い、労働力として村で息子とともに働きつつ、復讐心を燃やしながら魔術師のもとで教えを乞う日々を送ることになります……。

 とまあ、第一部と第三部の間の話は次の記事で書くとして(第二部のことが書けなくなってしまうので)、これくらいで切り上げておこうと思います。書いてて思いましたが、この第一部は「明らかに怪しい連中と怪しい村の正体はなんなのか」ということを最後の場面で「深きものだったんかワレ!どっから出てきたんや!」と驚かせることを目的としたほうがいいかなと思います(なぜ私がこのキャンペーン執筆を断念したかの理由にも関わってきますが、これは来月やろうかと考え中)。そうなると、もっと深きものだとわからないようにあれこれ変えたほうがいい点もあるような気もしますが(僧兵を弁慶スタイルのように眼だけ出すようにするとか)、まああくまでシナリオフックなのでそのあたりは私が口を出す部分でもないだろうと思いますので割愛します。もしこれを題材にシナリオを描こうとして悩むようなことがあれば、遠慮なく私のツイッターないしここのコメント欄ででも聞いていただければお答えします。

3.第二部『Call of The Black One(仮)』
 このシナリオは1930年代シナリオです。

3-1.シナリオ背景
 H県内陸部の盆地にある『犬鳴村』。その名は、H県のどの地図を見たとしても見つけられることはない。古くは逃れてきた隠れキリシタンにルーツを持つこの村は、酷い差別を受けてきた歴史的経緯から、帝国による近代化・中央主権化が進む中でも特別保護区としてその存在と歴史を世間から隠され、代々続く一族による自治が許されていたからだ。犬鳴村に至る新設のトンネルに掲げられた看板―『これより先 大日本帝国憲法 通用せず』―の通り納税・兵役の義務にも縛られず、公権力の目の届かないその村は、やがて政府から派遣される職員さえ置かれなくなり、一時期は忘れ去られていた。
 しかし、この村は遠く離れた東北のある事件―蔭洲升襲撃―をきっかけに再び注目されることになる。帝国内における邪教崇拝は帝国の脅威となりうると判断した内務省と軍が、まだ帝国各地に残る特別自治区に再び注目し始めたのだ。
 帝国の目を逃れていた数十年間で、犬鳴村の司祭たちはとある儀式の大詰めの段階にまで来ていた。「いぶ様」として信仰されるイブ=ツトゥル(マレウス・モンストロルムP142)の体に触れば、その加護により全知全能になり、過去に死んだ信者は復活する。そう信じる狂信者達は、「いぶ様」に仕える天使とされる「黒きもの」、即ちバグ=シャースを召喚しようとしていたのだ。「黒きもの」に与える生贄、もとい様々な理由で犬鳴村を訪れ、狂信者達に捕らえられた人間は、十分な数が揃っている……。

 さて、明け方の投稿になってしまいましたが、記事が完成しました。第二部のシナリオに関しては自分の中に続々とアイデアが湧いてきていて、このまま一本シナリオを書けるような気さえしてきています。ただ、今はキャンペーンシナリオの執筆に集中しないといけませんがね。来週は第二部のシナリオ概要と、第三部のシナリオ背景(第一部の後新旧犬鳴村がどうなったか)、シナリオ概要を予定しています。
 私のパソコンの不調により月曜まで投稿が伸びてしまい、申し訳ございません。相変わらず無線LANはうんともすんとも言わず、しかし修理となるとお金がもったいないということで、外付けの無線LAN器具を買おうかなと思っています。新年から災厄続きですが、来週はちゃんと金曜日中に記事を上げたいですね。では、また来週お会いしましょう。


『インスマスからの脱出』を購入しました。60ページ超にもわたる長編シナリオ『インスマス襲撃』を見た際は度肝を抜かれました。近々紹介記事も書きますので、購入を考えている方はお楽しみに。

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