シナリオフック『犬鳴村怪異譚(仮)』公開記事その1

 先週は忘年会シーズンということもあり、私自身の忙しさも相まってとてもブログ執筆に割く時間がなく、お休みしてしまいました。もう少し早くから告知しておくべきだったと反省しております。
 さて、今週は一年の締めくくりということもあり、私が温めてきたものの結局使わなかったシナリオフックを公開しようと思います。舞台はH県の山中に存在する架空の村『犬鳴村』、実在するオカルトスポットで『クトゥルフ2010』でも紹介された『犬鳴トンネル』、その付近に実在するダムをモチーフにした『犬鳴ダム』の3か所を舞台としたもので、当初の私の構想ではこれらの場所を舞台にした一連の怪異を扱うキャンペーンシナリオを作る予定でした。犬鳴村伝説とも呼ばれ、実際に付近で殺人事件が起きたりするなどオカルト的には有名な場所らしいですが、私なりに色々と設定に調整を加えてクトゥルフ要素を盛り込んだものとなっています。ただ、私の個人的な趣味でダークなシナリオとなっていますので、そういうのが苦手な方が居ればもう少しソフトな設定に代えてもいいでしょう。
 しかし、なにぶん書くことが多いので、どうしてもパート分けが必要になってしまいます……ということに今日15000字近くあるワードファイルを見て気が付きました。キャンペーンシナリオは第一部が1980年代を舞台にした短~中編半クローズドシナリオ、第二部が1920年代を舞台にした中~長編クローズドシナリオ、第三部が現代を舞台とした現代が舞台の長編シナリオとなっていますが、今回の記事ではキャンペーン全体の流れと1980年代シナリオとなるはずだったシナリオのかけらをシナリオフックとして公開しようと思います。元がキャンペーンの一部とはいえ、あくまでシナリオフックなので適当に改変して単発のシナリオにも十分できると思います。シナリオそのものではないのでネタバレ注意は要らないですかね?需要があるかは不明ですが、このまま死蔵しておくのももったいないので、この機会に公開しようと思います。では、これ以降が本編のシナリオフックです。

キャンペーンシナリオ『犬鳴村怪異譚(仮)』

1.キャンペーンシナリオ概要
このキャンペーンシナリオはH県の山中にある架空の村である新旧『犬鳴村』、『犬鳴トンネル』、『犬鳴ダム』を舞台とした構成となっています。第一部で、探索者たちは犬鳴ダムに沈んだ旧犬鳴村に拠点を構える深き者どもに侵食されつつある村である新犬鳴村を様々な理由から訪れ、村の依頼で新旧犬鳴村を結ぶ唯一のトンネルに迷い込んだガストを退治し、その後反対側でガスト退治を行おうとした深きものとショゴスを目撃し、新犬鳴村に戻ったところでシナリオが終わります。第二部は忌まわしい信仰を続け、公権力すらも及ばないとされる旧犬鳴村に様々な理由で入り込んだ探索者達が、軍による狂信者排除、及び犬鳴村水没作戦に巻き込まれるシナリオです。第三部は第一部の時よりも勢力を拡大した深きものどもの純血種と、深きものによる侵略に耐えかねる元々の犬鳴村住民、及び淡水で生き続けた結果、深きものの混血種ながらも人間としての自我を備え半分同族の純血種に使役される半深きもの達との軋轢、軍による襲撃作戦を唯一生き延びた旧犬鳴村の魔術師の争いに、探索者が介入するシナリオとなっています。第一部→第三部は継続探索者の使用も可能ですが、継続であるがゆえの大きなSANチェックが入る可能性がありちょっと難易度が上がると思いますが、まあ多分なんとかなるだろうなと思います(人によっては不快に思うかなという最たるシーンでもありますから、改変案も提示しておきます)。また、構想では第一部、第二部の行動次第で第三部のシナリオに影響が及ぶギミックも考えていましたが、作成を断念したこともありあまり今回の記事には盛り込めていません。あまり数はありませんが、記事の肥やしにもなればと執筆時に思いついたものは盛り込んでおくようにしています。

2.第一部『まどろみのよよりいでしもの(仮)』
このシナリオは1980年代シナリオです。継続として使うには歳を取りすぎてしまう問題があるため、1990年代シナリオとして行っても問題はないかと思います。80年代にした理由は何かあったような気はしますが忘れてしまいました。

2-1.ハンドアウト
探索者は各々の理由から新犬鳴村を訪れます。この後犬鳴トンネルでガストを退治してもらうことになるわけですが、村人に頼まれたからというだけでは動機として弱いと思いますので、ハンドアウト的な何かを複数用意してあります。
汎用HO
今回あなたは犬鳴トンネルで行方不明となった娘を探してほしいとその娘の両親から依頼を受けている(あるいは親でも可)。
HO1公務員
あなたはH県県土整備部に所属する公務員である。今回、県内の犬鳴ダムの管轄が建設省から県に移管されるということだが、自動的に送られてくるデータの数値に異常があるため、実地調査を上司から依頼された。あなたの上司は建設省からの出向官僚であり、正確なデータをとってくるよう厳命している。期待に沿えず彼のメンツをつぶすようなことがあれば、どうなるかはわからない。
HO2探偵
 あなたはH県内に事務所を構える売れない探偵である。今回あなたはとある組織(抗神組織)からの依頼を受け、犬鳴ダムで気温や湿度などのデータと写真を数枚、周辺の状況レポートの提出を頼まれている。成功報酬は500万と破格の額であり、怪しさを覚えつつも承諾することを決めた。
 基本的にガストを倒す必要があるので、犬鳴トンネルの先に用があるHOを渡す方が良いと思います。

2-2.シナリオ背景
アメリカにおけるインスマス襲撃に前後して、日本においても海軍陸戦隊の主導で深き者どもの巣窟であった陰洲升が攻撃された。大半の深きものはその際に死亡したが、数の多さから殲滅するには至らず、難を逃れたいくつかのグループは種族の再興を図り日本全土に散らばることになる。しかし、陰洲升と同じような沿岸部に拠点を移したグループは探索者の活躍や軍・抗神組織の攻撃によって次々と潰されてしまった。そんな中、九州まで逃げてきたグループが運よく発見したのが、犬鳴ダムの底に沈む旧犬鳴村、そして狂信者の支配していた旧犬鳴村から脱出した子孫らが近くに移り住んで成立した小規模な村落である新犬鳴村であった。これ以降深きもの共はダムに沈む旧犬鳴村を拠点とし、新犬鳴村を侵略して勢力の拡大を図ることになる。
神話生物である深きものにとって旧犬鳴村は都合の良い場所であった。軍の襲撃で死亡した狂信者達が残したマジックアイテムがいくつか残っており、自分たちの持つ禁断の知識を活かすのに適していたからである。
準備を整えた深きもの共は旧犬鳴村を力で制圧し、勢力拡大のため行動を開始した。女子供を人質に村民を使役してクスノキを用いて村全体を3m近くの塀状に囲い、人間の生活空間と深きものの生活―もとい混血の場―を設けたのだ。これは村人の脱走を阻止し、混血を進めて自分たちの勢力を拡大する一方でクスノキの香りが自分たちの体臭を誤魔化し、脅迫した村人に役人の相手をさせることで自分たちの存在を公権力から隠す効果をもたらした。侵略された後の旧犬鳴村は男に雌の深きものをあてがい、雄の深きものは女と交配することで混血を進め勢力を拡大していった。
時代は移って1980年代。本シナリオで探索者が訪れる数か月前から、深きものによる侵略の進む新犬鳴村ではある異変が生じていた。拠点である旧犬鳴村へ向かった深きものが帰ってこず、また旧犬鳴村から一体のディープワンも来なくなったのだ。
これは元々霧の立ち込めやすい地形である犬鳴トンネルが偶然ドリームランドと同期してしまい、複数体のガストが迷い込んでしまったことが原因である。深きものはトンネルを通っている最中に襲われてしまったのだ。本拠地からの指示がない深きもの共はにわかに混乱している。彼らのテリトリーはあくまで水中であり、新犬鳴村に配置されている深きものは必要最低限、しかも集団を率いる能力に乏しい個体ばかりだったからだ。
この異変には人間である犬鳴村住民も薄々感じており、これを機に深きもの共に対する反乱計画もにわかに持ち上がっている。なお、村に居る深きもの共はこの計画にも、旧犬鳴村との連絡が取れなくなった原因にも気付いてはいないが、味方と連絡が取れない現状にかなりの危機感を抱いている。

2-3.シナリオ概要
様々な理由から犬鳴きトンネルないし犬鳴ダムに向かう探索者達だが、犬鳴村への交通手段は一日に一台しか来ないバスだけであり、到着時間は夕方となるものの村の周りは漆黒の闇に包まれており、自然と犬鳴村に一泊することになる(そのほかの交通手段でお要とした場合は適当に理由を付けて却下する)。深いフードに身を包んだ態度の悪い門番と人の背丈の二倍ほどもある高い塀、立ち込める潮の香りとクスノキの匂いが混じった異様な臭気、人懐っこい少女の他には全く姿の見えない女性、温かく迎えてくれるもののどこか殺気立った村人、ボケたというよりは気の狂ったと言うべき老人、不自然に仕切られた村の一角……等々、村の内部は奇妙なものに事欠かない。
翌朝、犬鳴トンネルへと向かおうとする探索者たちの元一人の村人とフードとマスクをした深きものが現れる。脅迫した村人を通じてでっち上げの嘘を吹き込み、犬鳴トンネルが通れない原因を探らせ、問題の解決をしようと試みたのだ。深きものどもは探索者が訪れる80年代の段階だと女性連れの旅人を厚くもてなし取り込もうとする一方、男に対しては冷たくあしらうといった対応を取っているが、この時ばかりは深きものも下手に出て探索者に全面協力する。旧犬鳴村を水底に沈めるため日本軍が使った爆薬の一部は村内に遺されているし、場合によっては魔力のこめられた武器やマジックアイテムを貸与してくれるかもしれない。
 犬鳴トンネルに迷い込んだガストたちは数か月の間に共食いをし、最強の個体一体だけが残っている。同士打ちと空腹によりある程度弱体化しているが、未だ人間と深きものに対する重大な脅威であることには変わりはない。だが、優秀な探索者なら犬鳴トンネルに迷い込んだ娘の友人や、トンネル内の捜索で遭遇した際の観察結果から、日光に弱いなどの情報やトンネルが脆いなどの情報を得れば、おのずと対処法も思いつくだろう。思いつかずとも、力押しで何とかなる程度には弱体化している可能性はある。
 ガストを倒すと、トンネルの奥に揺らめく二つの明かりが見える。それは、事態を打開するため召喚した使役種族であるショゴスを連れた旧犬鳴村の深きもののもつ松明の明かりであった。
 ガストを倒して村に戻ると、失礼な態度を取っていた深きもの達は探索者たちを興奮気味に歓迎する。その様子は人間に扮することも一時忘れるほどであり、そのおぞましい姿を垣間見たり、潮臭い体臭に気が付くことになるだろう。
 打って変わって村人たちのほうは探索者達に対し露骨に冷たい態度をとる。初日のほのかな明るさや優しさは消え失せ、深きものの主導で催した探索者たちとの別れの宴会に出てきた食事も反吐が出るほど不味いものであった。この仕打ちに探索者たちは様々な思いを胸に犬鳴村を後にすることだろう。探索者達は確かに超自然の存在に打ち勝った。しかし、その行動はさらなる災いを招くものでもあった。探索者たちの中には数十年後、この時の行動がもたらす意味を知る者も現れるかもしれない……。



 なんかいろいろ書き足していたらデータ類を差し込む余裕がなくなってしまいました……どうしてこうなった。でも、これはこれで逆にシナリオフックっくぽくなっていいかなと思ったり。来週は第一部のデータ類と、枠が余れば第二部のシナリオフックも入れようと思っています。
 ブログを書き始めて結構な月日がたちながらもまだまだ未熟だなあと思いますが、来年もクトゥルフ神話TRPGプレイ日記をよろしくお願いします。それでは皆さん良いお年を。


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