クトゥルフ神話TRPGサプリ・関連書籍紹介記事その1

 はい、先週も予告した通り前々から初心者向けの記事を書こうという話だったので、今週は初心者向けの記事を書こうと思います。
 今週は初心者向けの記事として何を書こうかと思い、しばらく悩んでいました。自分のプレイスタイルやキーパリングスタイル、初心者が卓に参加する際の心構えなんかについて書こうかとも思いましたが、ちょっと最近自分のスタイルやキーパリング、プレイングへの認識が変化してきていることもあり(8月末から9月にかけて普段卓を囲まない方たちとクトゥルフ三昧しているため、影響を受けている最中です)、今回はそういった技術的は書かないことに決めました。
 その代わり何を書くんじゃコラァとなるわけですが、今週は自分の手持ちのサプリ(2016年9月2日現在はクトゥルフ2010、マレウス・モンストロルム、キーパーコンパニオン)やそれに準ずるもの(るるいえびぎなーず、図解『クトゥルフ神話』、エンサイクロペディア・クトゥルフ)身内卓のPLが持っているサプリ(ナチス邪神帝国の野望、クトゥルフ2015、クトゥルフカルト・ナウ)ついて、具体的にどんな内容が書かれているのかに重点を置いてレビュー的なものを書こうかと思います。私が初めて買ったサプリはクトゥルフ2010だったんですが、これを買う前は失敗したくないとの思いから、どのサプリを買えばよいのかとかなり迷いました(特に経験の浅い初心者は自分で判断が付きにくいと思います)。アマゾンレビューなども、内容に深く踏み込んでいるものはあまりないような気がしますから、今回の記事は一定の需要があるんじゃないかなと思います。クトゥルフ2010なんかは人気の表れかたくさんの有用なレビューが書かれていますが、今回はあくまで“私の”感想ということでサプリの紹介を行っていきたいと思います。
※新サプリ購入次第随時追加していきます

その1 その2 クトゥルフカルト・ナウ

 現在発売されているサプリメントの中ではかなり人気の高いサプリメントだと思います。付属シナリオの評価がどれもかなり高く、特に医科学研究所を舞台にしたクローズドシナリオ『腕に刻まれる死』は私の知る限り既存のクローズドシナリオの中で随一の面白さを誇るシナリオです。このシナリオ目当てで買っても損はないと言えるでしょう。シナリオ以外の具体的な内容としては現代に合わせた新規職業の追加、現代武器・装備の追加データ、現代日本の警察・軍組織などの情報、最先端科学捜査に関する情報、日本各地の怪奇スポット、妖怪などのクリーチャーデータ、戦後60年ほどの簡易歴史年表やオカルト的な年表、補遺として学生探索者の創造などが含まれています。
新規職業としてはコンピューター技師、超心理学者、メンタルセラピストといった現代において新たに登場した職業データが10~20ほど追加されたほか、医者などの既存の職業も現代風に説明が刷新されています。現代武器・装備は字のごとくですが、現代装備に関しては持っているだけで技能値ロールの成功率をプラスする特殊な装備もあります(翻訳ソフト、集音器など)。最先端科学捜査は探索者向けではないものの、シナリオでリアルな雰囲気を出すのに重宝するデータだと思います。日本各地の怪奇スポットはシナリオフックに重宝するでしょう。私の出身地のとあるスポットのことも書かれていましたが、よくクトゥルフ神話の世界観に落とし込めていると思います。妖怪などのクリーチャーデーターは正直なところ個人的には使い道が?のものが多いです。例を挙げると山姥やヨモシツコメなどですが、ステータスが人間並みという…。年表に関しては前者のものは普通の年表ですが、後者はクトゥルフ神話に関連書籍における出来事も一緒にまとめられているので、クトゥルフ界の事件と現実の事件を関連付けるのに役立つと思います。学生探索者の創造に関してですが、子供の探索者を作れるということで一見使えそうな気もしますが、割り振れる能力値がダイスで決まる関係上低年齢では目星をとることもままならず、学生探索者専用シナリオや周りのPCが優秀である場合など特殊な状況でなければ実用性に欠けるというのが個人的な意見です。シナリオの難易度が低ければなんとか、って感じでしょうか。
最後に、あまりレビューなどでも触れられていないような気がするのですが、リアル神話技能が一定程度高まった状態で序章のミニ小説を読むと面白いです。正直買って長らくはずっと読み飛ばしていましたが、数か月前になんとなく読んでみたら意外と面白かったです。これならシナリオフックにも使えるんじゃないでしょうか。
クトゥルフ神話TRPGを現代日本で行うために必須というわけではありませんが、やはりあると便利ですし、演出の幅が広がると思います。特に職業データと武器データは現代探索者を作る上で有用でしょう。付録シナリオも良質なものばかりですし、現代日本を中心にクトゥルフ神話TRPGをプレイしようと思っているのであれば、初めて買うサプリとして選んで間違いはないと思います。


よくクトゥルフ界隈ではおまけが本体とか言われているのを目にするサプリです。税込み3000円ちょいという安さも特徴の一つ。
付属のキーパースクリーンはオフセ時には確かに重宝するんですが、データ類が多いシナリオの場合もうちょい高さが欲しいのと、スクリーンに載っている情報が「これ載せるならもっと載せたほうがいいデータあるだろう」というものが結構含まれているので(主に左半分)、個人的には所詮おまけはおまけだな、といった感想を持っています(狂気表や正気度喪失の例が載っているのは便利ですが)。
じゃあ本体のほうには何が載ってるんだと言いますと、主に魔導書についてのことが本書の半分近くを占め、他は文字に関するデータ、ルルブ未収録・既刊シナリオ収録のものを含む既存のアーティファクトのデータ、深きもの、ミ=ゴ、食屍鬼、シャッガイからの昆虫、オールド・ワン、ヘビ人間、ヴ―アミ族に関する生態や社会、人間との関わり、歴史など雑多な情報、複数の呪文、ナガアエ、地底を掘るもののクリーチャーデータです。
これがキーパーコンパニオンの最大の特徴ですが、この本一冊あるだけで魔導書に関してはほとんどの情報を網羅することができます。基本ルールブックに載っている主な魔導書20数冊の全ての版が章ごとに解説されており、当然魔術のデータも収録されています。また、魔術の習得に関して選択ルールも示されていますが、少々複雑なので使いにくく感じるかもしれません。文字に関するデータですが、これも当然ですが有史以前の文字の情報も“画像付きで“載っています(イス人の文字など)。他に、意外にもアーティファクトの情報が豊富です。基本ルールブックの呪文欄にも載っているアルハザードのランプや、かの有名な銀の鍵なんかもデータが載っています。それだけでなく、いわゆる箱版と呼ばれている『ニャルラトテップの仮面』といった現在では貴重なシナリオに収録されているアーティファクトの情報も入っている点は特筆すべきでしょう。他にはキーパーコンパニオンのみ収録の呪文も複数収録されています。数は少ないですが、中には《ナイハーゴの葬送歌》のような、シナリオのクライマックスにおいて探索者に使わせやすい有用な呪文も含まれています。
長々と書いてきましたが、基本的にはその名の通りキーパー向けのサプリです。特に、豊富な魔導書のデータやアーティファクトの数々は自作シナリオ作りに大変役立つことでしょう。巷で言われているようにキーパーデビューしようとしているのであれば、とりあえずキーパースクリーン目当てに買っておいてもいいかもしれません。後々自作シナリオを作りたくなった時にはきっと役に立つことでしょう。


正直あまりここに書くことはないのですが……。このサプリメントはクトゥルフ神話TRPGにおける、一部ドリームランド生息のクリーチャーを除くほぼ全てのクリチャーのデータを収録した上で、更に複数種類の野生動物についてもステータスや技能などを設定して収録している、いわばモンスター図鑑のようなものです。各種サプリメントに名前だけは載っているけど基本ルールブックのほうに記述がない神話生物などはたいていこのサプリに収録されています。基本ルールブックのほうに収録されている神話生物もこのサプリに収録されているのですが、残念ながら殆どのデータはルールブックのものと同一です。そのため、基本ルールブックに記載されている神話生物のより詳しい情報を求めてこのサプリを買うと、がっかりすることになるかもしれません。ただし、よく知っているクリーチャーの化身なんかも多数収録されているので、必ずしも買う価値がないとは言えませんが(ニャルラトテップの化身だけで30ページ近くあるのが良くネタにされています)。また、マイナーな神話生物が多数収録されているとはいえ、ビジュアル的な情報が全くないものもままあるのが欠点です。
誰も使ったことのないクリーチャーを使いたい人や、ニャルラトテップ大好きな人、ゲームの敵キャラデータ集を眺めるのが好きな人なんかにはお勧めですが、正直サプリの購入優先度としては低いのではないかと思います。ただ、あると便利なのは間違いないですし、仲間内でも重宝がられること間違いないです。
おまけとして、補遺には描写に役立つコラムやオリジナルの神話生物の作り方について書かれています。

今回の記事はこれくらいにしておきます。一通りサプリの情報と私の私見を述べたつもりですが、いかがでしたでしょうか。あくまで一意見としてお考え下さい。次回はこの続きとして、上に書いたサプリではない副読本や身内の人間が持っているサプリのことについて書こうと思います。今週は土曜朝の投稿になってしまいましたが、コンベンションも完全に終わったので来週こそは金曜日のうちに挙げられると思います。では、また来週お会いしましょう。


クトゥルフ神話TRPGサプリ・関連書籍紹介記事その1 その2 クトゥルフカルト・ナウ

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