自作シナリオ『I will regain it』紹介・シナリオ改善例

 今週は私が描いたシナリオ『I will regain it』のシナリオ紹介と、回す際のキーパリングサポート記事を書こうと思っていたのですが…。思いのほかキーパリングサポートとして書けることが少なかったため、シナリオ加筆前回した際に困ったことを箇条書きにし、その後それらを踏まえてどのようにシナリオが改善されていったかがわかるような記事にいたしました。テストプレイ後のシナリオ改善に役立てられたら幸いです。
 先週私が公開した『I will regain it』ですが、いかがでしたでしょうか。私の24好きが高じて作るに至ったシナリオではありますが、「20sアメリカ以外でも暴れたいぜ!!!」的な需要が地味にあるようですし、探索メインのクラッシックシナリオの息抜きにでもこうした難易度の高くないハリウッドスタイルシナリオを回すのも良いと思いますよ(マ)。
今回の記事はどのような構成にしようか迷いましたが、記事を見てPLとしてプレイしたいと思う方が出るかもしれませんし、普通のシナリオと同じように簡単なシナリオ紹介の後本編に入っていきたいと思います。
 さて、今回のシナリオですが、例によって当ブログが用いている指標を用いて表すと、以下の様になります。

『I will regain it』(完全自作シナリオ)
・目安人数…3~4人
・シナリオ傾向…探索戦闘半々シティ、ハリウッドスタイル(不可避の戦闘有り)
・探索難易度★★★★★★☆☆☆☆
・戦闘難易度★★★★★★☆☆☆☆
・キーパリング難易度★★★★★★★★☆☆
・PCロスト率…15%
・予想セッション時間5~7時間
備考:自由度の高い探索者の行動に応じたアドリブが多め。特にラストシーンは各々のKPが作るといっても過言ではない。戦闘にはしっかり準備して臨もう。

 シナリオ傾向が今までにない感じになっていますね。人数は最低3人いないと流石にキツいです。それ以下の人数でやる場合は敵NPCの数を減らすと良いかと思います。探索は自由度が高い部分がありますが、通り一遍の探索スキルがあれば先に進める程度の難易度にはなっています。戦闘も普通のシナリオにぶちこんだらダイスをKPに投げつけるレベルの強さですが、このシナリオなら並の探索者でもなんとかなると思います。平均的なシナリオをプレイしてきた方達なら、詳しくは伏せますが色々と今までにない経験ができると思いますね。できれば、動画勢と揶揄されるようなランボープレイを夢見て現実に打ちのめされた方達に是非やってもらいたいかな、と思います(ある程度はできます)。
 まあ簡単な説明はこれくらいにして、そろそろ本編のほうに入ろうと思います。


以下ネタバレを含む感想です。ここからはシナリオを既に読んでいるか、プレイ済みということを前提に記事を書いていきます。
未プレイの方はネタバレに注意してください。



 さて、では本編のほうに入っていきたいと思います。さっそく言い訳から入りますが、私がテストプレイした時のシナリオは実に9000字ちょいと現在の半分以下であり、なおかつかなりの部分をアドリブで進めるという形で回していたため、現在公開している二倍近くの文章量になった『I will regain it』はもしかしたらわかりにくい部分があるかもしれません。そういった場合はコメントのほうで質問を受け付けますので、遠慮なくお聞きください。
 このシナリオは前述の様にハリウッドスタイルという、爽快感重視のシナリオです。その関係上、潜入・カーチェイス・トニえもんなどシナリオを盛り上げるイベントやギミックが多くなっております。ある種自由度の高いシナリオですので、普段できないようなことを存分にPLに体験させてあげてください。
 さて、キーパリングサポートの部分に関してですが、主に加筆前のシナリオを私が回した際に困ったことを箇条書きで挙げていき、それを踏まえてどんな加筆をしたのかについて書いていきたいと思います。わざわざ修正した部分をもう一度指摘して書くというのは二度手間のように思われるかもしれません。なぜこうするかというと、このように書くことでテストプレイを終えてシナリオを洗練する際のプロセスがわかりやすくなるからです。このシナリオは基本的にアドリブによるところが多いので何を書こうかと思った結果、こうなった次第です。何かわからないことや困ったことがあったら、何でもコメントのほうで聞いてください。では、そろそろ記事本編に入っていきます。


〇グダる
実はこのシナリオ、元々亀政会なる団体は想定しておらず、最初からAOOAが存在している設定でした。そのため加筆後の母団体からAOOAの事務所に行きつくオーソドックスなルートをとることができず、基本的にハッキングによる公安などのデータベースからの情報収集、あるいはPLが何か良いアイデアを思いついたら適宜それを採用してアドリブでやっていく、といった形をとろうと思っていました(普通にAOOAを調べたところで大した情報が出ないのは変えていません)。そのため何が起きたかというと、(あまりこういう自由度の高いシナリオに慣れていないというのもありますが)PLが途方に暮れ、のっけからグダってしまったのです(一定時間経ったら救いの手を差し伸べようと思いましたが、ハッカーがハッキングに成功したため事なきを得ました)。
【解決策】
シナリオをご覧になった方ならわかる通り、母団体亀政界を新たに作り、一般ルートから捜索すればAOOA事務所までたどり着けるようになりました。情報収集の方法についてはまだ自由度が残っていますが、少なくとも何も思いつかず途方に暮れるということはないかと思います。

〇ジャックが信頼され過ぎる
加筆版のほうではジャックの家族への愛情と複雑な心境が垣間見える9.ジャックの悲哀のイベントを挿入していますが、加筆前はあれがありませんでした。それ以外のイベントは元からあったのですが、私が回した際には序盤の精神分析以外は全ての伏線をオールスルーされてしまったので、ジャックが何の前触れもなく裏切ったと面食らったそうです。また、ジャックが最後敵対する際に躊躇する姿勢をあまり見せなかったことにもショックがあった模様です。
【解決策】
前述のイベントの追加に加え、タウィル・アト=ウムルの空間へ行った際のジャックの発言や躊躇をシナリオに明記し(加筆前は記述なし、発言はアドリブ)、そして事務所におけるヨグ=ソトースの情報をまとめて共有しやすくしました(加筆前は適当にルールブック・マレウス・モンストロルムから情報を出していました。)。

〇石塔って何
(これは私の完全なミスですが)加筆前の教祖の日記には、石塔と書かれておらず単純に塔とだけ書かれていました。そのため、手がかりが少なすぎるということで、どうやったら他に情報が得られるのか、もう一度事務所に戻るべきではないかなどPL達が途方に暮れてしまいました。
【解決策】
石塔と明記し、最近建てられて完成したことを強調して教祖の日記のほうに加筆しました。

〇石塔破壊工作
加筆前は教祖の《物体の保護》のくだりは存在していませんでした。PL達がプラスチック爆弾を所望して破壊工作を試みようとしていました。
【解決策】
これはいけないとアドリブで設定を生やしたのが、あの《物体の保護》です。あの塔が崩壊すると門を越えてやってきた教祖たちが落下死してしまいますからね。まあ、それはそれで面白いかもしれませんから、何か思いもよらない方法で塔を破壊しようとしたときには破壊処理をしてジャックのシーンに移ってもいいかもしれまんね。

〇ジャックとの最終戦に教祖乱入
一ターン目の終わりで教祖以外の全員が片づけられてしまったのですが、教祖にとどめをさしたのが非殺主義者のPCだったため、スタンガンによるスタン処理が入ってしまいました。思いもよらない展開にとっさに対応した結果、その後の描写で探索者達の他に教祖が立っているという、カオス展開になってしまいました(だいぶ長引いていたため、グダり回避で適当に不意打ちスタンガンでスタンさせておきました)。
【解決策】
例え生きていたとしても連れていくのはやめておきましょう。処理は塔を消してくれるニャルに任せましょう。シュールすぎます。

〇新たなエンディングが生まれる
元々このシナリオは、ジャックを殺して鍵を奪い取り、探索者達だけ自分たちの世界に帰という後味の悪いエンディングしか想定していませんでした。しかし、PL達はジャックに別の世界の娘や妻に会っても意味がないなどと説得を試みるなど、最後までジャックを生かそうとしていました(不定入りしてるのでどうあがいても説得は無理なのですが)。そのやりとりの最中、銀の鍵を使って一度ジャックの望む世界戦へ飛んだ後元の世界に戻ってくればいいんじゃね?という提案が誰かからなされました。銀の鍵を複数回使えるのかとも考えましたが、使えるということにして(KPの発想を超える提案を無下にできないので)ジャック的にその案を飲ませ、ジャックを置いて探索者が無事戻るというエンドに落ち着きました(PL的にはジャックを連れて帰りたかったようなのですが、流石にそれはジャック的に容認できないだろうと思ったので、思い出代わりに写真をとって持ち帰るという処理をしました)。
【解決策】
解決策になっていませんが、私はこの路線を殺さない第二の選択肢としてシナリオに加筆し、書かれているようなKPぶん投げ方策をとりました。というのも、このシナリオを通して各々の卓で生み出された、一人のNPCとしての「ジャック」をどのような結末に導くか、私や元ネタに引きずられることなくKP自身に決めてもらいたいと思ったからです。このシナリオを通して、PL達もKPもこの「ジャック」というNPCに様々な思いを抱くことでしょう。そうした思いや、それぞれの卓で生きた「ジャック」にふさわしいと思う終わらせ方を、ぜひこのシナリオを回したKPには決めていただきたいです。

 どうでしたでしょうか。あまりキーパリングの参考にはならなかったかもしれませんが、少なくともテストプレイの大切さは分かる記事になったかと思います。いやはや、私もよもやここまで加筆する羽目になるとは思いもよりませんでした。コンパクトな中編シナリオを意識していたのですが、構想だけに終わってしまいましたね。
 次回の記事ですが、まだ未定ですがもしかするとまた別のシナリオを上げるかもしれません。記事の内容が決まったらツイッターのほうで呟こうと思います。では、また来週。



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