クトゥルフ神話TRPGセッション『羅生門』感想その4

 ここらへんから私は時々睡魔に襲われており、忍者の動きが少々鈍っておりますことをご容赦ください。さらに、クライマックス手前の探索は上記の事情からメモをあまり残しておらず、今まで以上に不正確な記述になっている可能性が高いですが、どうかそこもご了承ください。
 それでは、前回の続きから書いていきたいと思います。

その1 その2 その3 その4 その5 その6 シナリオ感想以下ネタバレを含む感想です。ここからはシナリオを既に読んでいるか、プレイ済みということを前提に記事を書いていきます。
未プレイの方はネタバレに注意してください。


○四条邸にて~惨劇の跡~
 はがきの住所に書かれた初音の住所へと向かった探索者一行。そこは日本庭園をもつ大きな一階建ての平屋だった。柴の茂る庭先にはトリカブトの花が咲いており、響の部屋の鉢植えにあったものはここから摘まれたのではないかと推測する。中では人の動いている様子はなく、家は静まり返っている。あたりにいたおばちゃんに事情をうかがうと、四条家の人間は旅行中でここ2週間はめっきり姿が見えないこと。確認のため『奈落』の本に挟まれていた少女の写真を見せたところ、「この家に住んでいる初音ちゃんに似ている」との回答を得る。また、四条家は父子家庭であったことがわかる。おばちゃんと別れたあと、様々な憶測をしつつ家の中へと入っていく…。

ここで頭に浮かんだ疑問点は3つです。
・なぜ物騒な花言葉を持つトリカブトが初音の家から送られた(持ち出された)?のか
・(2週間前に四条家の人間が殺されたとすると) 10日ほど前に連続辻切りが始まり、一条、二宮…と続いた規則性が崩れた点
・なぜ親しかったはずの初音の家で殺人を起こしたのか?
誰がどういう意図でトリカブトを響に送ったのか、『信託の子』初音と連続辻切り殺人の関連性、四条の人間の死の具体的状況がこのシナリオの真相に繋がるカギだろうと思いました。

 家の中は荒れていてリビングルームには日用品が散乱して荒れ果てており、寝室には血の大量に付着したぐちゃぐちゃの布団と乾いた血の跡のあるゴルフクラブが落ちていた。また、血の跡は廊下の先へと引きずられた形跡があることも分かった。ひとまずその部屋を調べるも特に大したものもなく血痕を注視しても(〈医学〉を振っても)特に何もわからなかった。年のため警戒してJD剣士から受け取った模造刀を左手に構えながら4人でその血の跡を辿っていく。どうやら血の跡はバスルームへと続いているようだった。また、洗面所脇のふすまが不自然に開いていることもわかった。猛烈な死体フラグを前にSANに余裕のなさそうなむったんと最大火力のJD剣士が奇襲を警戒するという名目で忍者と机クラッシャーPC2が風呂場へと踏み込む。
 風呂場の中では打撲跡が無数にある中年の男の死体が空風呂を楽しんでいた。げんなりしつつも死体を調べると、医学的見地から見て(〈医学〉ロールに成功)どうやら切り傷などはなく殴打による打撲が直接の死因となっている様だった。また、死後2週間ほど経過しているらしいこともわかった。さらに、PC1の死体の顔に対する〈精神分析〉の結果では、その表情から驚愕といった感情を読み取れるとのことだった(PC2が失敗したためPC1と忍者が交代しました)。これ以上死体を見ていても特に何もわからないと判断し、臭いがヤバそうな浴室から退散して見張りの二人と合流する…。

 私が向かったのは五反田邸のみだったので他の殺害現場の様子は分かりませんが、少なくとも五反田邸とは現場の状況が異なり荒れていました。また、死体の状況も斬殺でなく撲殺と言う訳の分からない状況…。布団に血痕が大量に付着ということなので寝込みを襲われた後争ったのか、それともこれまでの辻斬り殺人と犯人が違うのか、状況すら見えてきません。そこら辺を確定させるために死体を見た後布団の血痕に〈医学〉を振ったんですが、失敗したため出血量が致死量だったか(部屋の荒れ具合が争った形跡でないのか)は分からずじまいでした。
 誰が殺したかについても、〈精神分析〉の結果からは響であると絞り切れませんでした。私的にはこの男(恐らく初音の養父)を殺したのが初音じゃないかと踏んでたので、表情から困惑の感情が読み取れることを期待していたものの…その点に関してはKPから完全に否定されたのでとりあえず初音は容疑者から外れました。
【プレイングメモ】
 この場面でもしこの家から重要な情報が得られなければ、更にシナリオ終了時間が長引くでしょうね。KPをやっていれば時々情報不足でシナリオ全体の時間が長引いてしまうということがあるかと思います。特に身内以外で回すときは、時間管理をしっかりするため大まかなタイムスケジュールを作っておくとか、情報不足なら情報の配置されている場所を変えてしまう、配置されている場所にそれとなく誘導するといった時間短縮の工夫が重要となるでしょう。シナリオ難易度を下げる結果にもなるかもしれませんが、初対面の人とのセッションで時間オーバーした上バッドエンドとなることはいろんな意味で避けるべきかと思います。

 死臭がやばいことになってそうな浴槽から出てきた二人と見張りの二人が合流したので、続いていかにも何かありそうな洗面所脇のふすまを開けた先を確認する。待ち伏せを警戒し、戦闘力の高い二人を前に立ててふすまを開けるとそこには…。
 部屋中に張られた太いクモの糸の中で、透き通るような黒髪の女性の上半身を持つ巨大なクモが死んでいた。その姿は、まさしく「クモ塚」の石碑に書かれていた「土蜘蛛」のそれであった。人間の上半身には刀の刺し傷があり、これが心臓を貫いて致命傷になったと思われる。また、よく見るとその人間部分は特徴的にどうやら初音らしく、改めて部屋を見渡してみる限りどうやらここは初音の部屋のようだ。部屋の中はほとんどがクモの糸に阻まれて探索できないが、どうにか部屋と続いている扉と部屋の中の机は調べることができそうだった。
 机はシンプルで引き出しなどはなく、めぼしいものは上に置かれている写真くらいで、父母らしき人物と初音らしき人物、響らしき人物が写っているものだ。初音は養子に迎えたということだったものの、響は初音と姉妹だったのかと驚いたがまだ事態の核心には繋がらない。響に繋がる情報を求め、続いて初音の部屋と繋がる部屋へと向かう…。

 とうとうシナリオの核心に迫ってきました。文章上だと時間の経過がわかりにくいですが、このシーンの時点で既に5時間は経過していますので、ようやくといった感じですね。
 部屋の中には初音辺りの死体が転がっているのかと思いきや、半分当たりくらいでした。依代云々の可能性は考えていましたが、変異した上既に殺されているとは予想していませんでしたね。刀の刺し傷からこれは響が介錯したものだろうと予想がつきました。状況的に何らかの神話生物を召喚する依代に初音を使ったため初音がこうなり、その復讐を響が行っているといったところですね(察しがいい方はこの記事の記述だけでピンとくるかと思いますが、私のリアル神話技能では思いつきませんでした)。義父の死に関してはまだはっきりしないところもありますが、もうここにきてはあまり重要な情報ではないだろうと判断しました。
【プレイングメモ】
 なにかと後衛に付くことが多い忍者ですが、むったんにアピールするという意図に加えて前衛を簡易のSAN盾にする意図もありました(基本的にSANチェックには全部参加してますが、40台だったのででかいのが来ると不定圏内突っ込む可能性あり)。SAN値が高い状態でこれをやることは探索者的にあまり褒められた行為ではないですが、メタ的に自分のPCのSAN値が低い時なんかは周りと相談し合ってSANチェック回避を行うことも戦略の一つです。ただし、黙ってこれをやると当然他の人に与える印象が悪いので、外ではやらないように気を付けましょう。

○四条邸にて~明かされる過去~
 隣の部屋はどうやら書斎のようだ。正面には引き出し付きの机が置かれ、壁際に置かれた本棚には本が敷き詰められており、その上には空の水槽が置かれている。さらに、何やら部屋は荒らされていた。おそらく響が四条(義父)を殺した時の跡であろうが、本棚の中には特にめぼしいものはなかった(メモが残っていないので詳しくは不明)ので机の探索に移る。
 机の上には一束の文書が置かれており、また引き出しにも一冊の日記があった。机の上の文書を手に取ると、ちょうどクモが文書の下敷きになっていることがわかった。クモからは体液が染み出ているのでその体液について〈医学〉を振ろうと試みるも、〈生物学〉の範疇ということで却下される。汁が染みてそうな文書を開くと、まず文書のタイトルが『アラクネ文書』という名前(アラクネとは伝説の中で土蜘蛛と同一視されてるらしい神の名前)であることがわかり、五反田やその他殺人事件の被害者一同+謎のババアの写った写真が挟まれていること、そのページには京都全域でクモが異常増殖していることや毒クモの液を家出少女などに注入する人体実験についての記述がなされていることがわかった。その写真に対してオカルトの知識を当たったところ(〈オカルト〉ロールに成功)、この人間たちが土蜘蛛を信仰する宗教団体の幹部であり、この地域一帯に影響力を及ぼす暴力団組織でもあることに気づく。同時に、このまだ見ぬババアが宗教団体のトップであり名前は六角ということもわかる。状況から見てこの人物が響の最終目標だろう。忍者的にはこいつを助けるつもりはさらさらないが、響の自殺といったアクションを止めるため、ついでにPC2を助けるため(特に書いてませんでしたが地味に序盤刺された跡が心臓に向かって伸びており、もう一日挟むとヤバそうでした)にもババアの元へと向かわねばならないと決心した。
 続いて、引き出しに入っていた日記を開いてみるが、どうやらそれは四条邸の人間のものではなく、響の日記であるらしかった。そこには『アラクネ文書』の中で出てきたのと同一と思われる宗教団体に響と初音の両親が殺されたらしいこと、その後彼女たちは別々に養子にもらわれていたこと、初音が宗教団体の実験体にされて異形の姿になってしまったこと、初音に殺してと頼まれたために彼女を殺したこと、そして初音を弄んだ宗教団体の連中に対して復讐を誓ったことが書かれている。また、その日記の最後のページにはそれに対する返事として奏が書いた響を励まし、そして自分も同じ罪を背負うから響の部屋で待ってるという文章が。
 ここに来てようやく響の目的や連続殺人の背景がわかった。響はこの宗教団体の幹部連中を皆殺しにしようとしているのだ。次に響が本丸たる六角の命を狙うことは火を見るより明らかである。もはや迷うことはない。忍者一行は響が向かうであろう六角の居場所に向かおうとするが…?

 クライマックス手前で怒涛の情報ラッシュですね。実際プレイしていた時はなかなか情報が出てこないのでどうしたものかと思っていました。
 書斎は荒れていましたが、初音の部屋がアレすぎるので特に動じませんでした。『アラクネ文書』にはクトゥルフらしく、事件のきっかけが教団の仕業であることが書かれていました。最近狂信者の儀式を防ぐみたいな正統派シナリオから離れていたので新鮮に感じてしまいましたね。出てきた重要情報は響ちゃん被害者の会の面々+1がめちゃくちゃ怪しい連中であることと、おそらく最後に生き残ったまだ見ぬババアが響の最終ターゲットであるということです。クモの増殖云々はたしか確実な情報は出ていなかったかと思います。たまたま奏ちゃんが刺されて死んじゃったとかだとテラ不憫(もう古いか)ですね。
 続いて響の日記ですが…。最初見つけたときには「は?」といった感じでしたね。なんで響の日記がこんなところにあるのかと。日記の内容的には決意表明のような内容だったので、そういった意味でここへ置いていったんだろうということで結局納得しましたが、奏もここに響が戻ってくるかもしれないと書き残していったのでしょうかね?シナリオの初めに響が戻ってくる可能性を考えて響の部屋で待機するか迷ったことがありましたが、もし響がこの日記を見ていたら自分の部屋に戻るなんて事態も有ったんでしょうか…。
 ともかく、この日記で響の復讐の理由が明らかになりました。まさか姉妹だったとは。ここまで殆ど情報がなかった分予測できなかったということもありますが、意外な事実に驚かされました。しかも地味に実の親を殺されているという…。響の殺しメーターが、初音の死に際して得た情報によって針が降りきれたであろうことは想像に難くありません。忍者的にも私的にも元凶たる教祖と思しき六角とか言うババアが煮られようが焼かれようが生け作りにされようが自業自得なのでどうでもいいんですが、問題なのは響が日記に見られたような自責の念に駆られて自殺してしまう可能性があることでした。私の個人的ポリシーとして善良なNPCは極力助けたいというのがありますし、忍者的にも義賊の正義心が動くだろうということで、違法装備(忍者刀、かぎ縄など銃刀法に違反するものは基本的に持ち歩かない設定です)をホテルの部屋に取りに行ってから六角邸へと急ごうとするんですが…。
【プレイングメモ】
 響の両親が死んでいることは(たしか)この時点で誰からも聞いていない情報でしたが、大学や、場合によってはむったんなどから響のことについてもっと聞いていれば出た情報なんじゃないかなと今更ながらに思います。私がKPをしていて時々思うことでもありますが、クトゥルフ神話TRPGの探索においては(個人的な感想ですが)〈目星〉〈聞き耳〉といった探索技能を振ることに集中するあまりNPCから情報を聞き出すという選択肢を忘れてしまうことがまま有るように思います。NPCというのは少なくともそのシナリオで、ゲームの中で「生きている」存在です。日記などの客観的証拠集めだけに集中せず、NPCが持っていそうな情報に当たりを付け、ロールプレイによって情報を集めることも同じくらい重要なことを改めて感じました。


1680192i.jpg
(アラクネ=土蜘蛛のイメージ図です)
http://seiga.nicovideo.jp/seiga/im1680192より

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